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経営ノウハウ

集客がうまくいかない原因は、商品の魅力不足ではなく「接点の量」不足かもしれない

いい商品を持っている。サービスの質にも自信がある。それなのに選ばれない、集客がうまくいかない——こう感じたとき、多くの経営者はまず「見せ方が悪いのか」「もっと魅力を伝えなければ」と考えます。

先に結論をお伝えします。集客がうまくいかない原因は、商品の魅力が足りないからではなく、そもそも見込み客との「接点の量」が足りていないから、というケースが非常に多い。 私たち株式会社隼は、人そのものを世に売り出す仕事に関わる中で、質が同じでも接触回数を設計できている存在だけが選ばれていく、という現実を何度も見てきました。この記事は、その現場で得た実感を、業種を問わず使える形に一般化したものです。

そもそも人は「知らない相手」を選ばない

集客がうまくいかないとき、まず疑うべきは商品の魅力ではなく接点の量です。人は、どれだけ質が高くても「知らない会社」「知らない人」を選びません。評価してもらう土俵に上がるための最低条件が、相手に知られていること、つまり十分な接点があることだからです。

これは冷静に考えると当たり前の話です。あなた自身が何かを買うとき、一度も見聞きしたことのない会社をいきなり選ぶことは、まずありません。何度か目にして、少し中身が分かって、なんとなく信頼できそうだと感じて、はじめて候補に入ります。魅力は、相手がこちらを認識したあとに効くものであって、認識される前の段階では出番すらないのです。だからこそ、「もっと魅力的に見せよう」と考える前に、「そもそも見込み客はうちの存在に何回触れているか」を先に問う必要があります。

縦軸に商品の魅力の高さ、横軸に見込み客との接点の量をとった4象限の図。魅力が高く接点も多い右上だけが選ばれる領域で、魅力は高いが接点が少ない左上は「良いのに気づかれない」領域として、多くの経営者がここに陥っていることを示している

上の図は、商品の魅力の高さと接点の量を2つの軸で並べたものです。多くの経営者が悩んでいるのは、右上ではなく左上——魅力は十分あるのに、接点が少ないせいで気づかれてすらいない領域です。ここにいる限り、魅力をさらに磨いても状況は変わりません。打ち手が的外れになっているのは、縦軸(魅力)を上げようとしているのに、本当のボトルネックは横軸(接点)にあるからです。

選ばれるまでには「積み上げの順番」がある

接点が足りないと集客が進まないのは、人が相手を選ぶまでに越える段階があり、それが接触回数の積み上げでしか進まないからです。

私たちが現場で見てきた順番は、おおむねこうです。まず相手の存在を知る(認知)。次に何をやっているのかが分かる(理解)。やっていることに共感する(共感)。この人・この会社なら間違いなさそうだと感じる(信頼)。そして最後に、応援したい・選びたいと動く(応援)。**この5つの段階は、一足飛びには進みません。**一度知っただけで信頼まで飛ぶことはなく、接触の回数を重ねる中で一段ずつ上がっていきます。心理学でいう単純接触効果——繰り返し触れた対象に好意を持ちやすくなる働き——が、この積み上げを後押しします。

認知・理解・共感・信頼・応援という5つの段階を左から右へ階段状に並べた図。各段階の下に、その段階を進めるのは接触回数の積み上げであることが書かれており、一足飛びには進まず一段ずつ上がることを示している

ここに、私たちが握っている判断軸が1つあります。伸び悩んでいる相手を見たとき、まず疑うのは「魅力」ではなく「どの段階で止まっているか」だ、ということです。認知の段階で止まっているのに共感を狙ったメッセージを磨いても効きません。逆に、認知は取れているのに信頼まで届いていないなら、必要なのは新しい魅力ではなく、接触を重ねて実績や人柄を見せ続けることです。**段階を取り違えたまま打ち手を打つと、努力の方向がずれる。**これが、頑張っているのに集客がうまくいかない会社で最もよく起きていることです。

実際、私たちが最初につまずいたのもここでした。良いものを作れば伝わるはずだと考え、中身の質を上げることばかりに時間を使っていた時期があります。けれど反応は変わりませんでした。方針を切り替え、まず接点の数そのものを増やす——同じ相手に届く回数を設計して増やす——ことに注力し始めてから、ようやく段階が前に進むようになりました。魅力を捨てたわけではありません。順番を、魅力の前に接点へ変えただけです。

だから打ち手は「見せ方」より先に「接点の数」を設計する

集客の打ち手を考えるときは、「どう魅力的に見せるか」より先に「どう接点を増やすか」を設計してください。見せ方の改善は、接点が十分にあってはじめて効果が出る後工程だからです。

とはいえ、やみくもに露出を増やせばいいわけではありません。私たちが接点を設計するときに見ているのは、次の観点です。

接点を増やすための4つのチェック項目を並べた図。同じ相手に繰り返し届いているか、接点の入口を1つに絞りすぎていないか、続けられる仕組みになっているか、量を確保したうえで見せ方を磨いているか、の4点を確認する構成になっている

1つ目は、同じ相手に繰り返し届いているか。 単純接触効果が効くのは、毎回ちがう相手に一度ずつ触れることではなく、同じ相手が何度も触れることです。新規のリーチを追う前に、一度接点を持った相手ともう一度つながる導線があるかを確かめます。

2つ目は、入口を1つに絞りすぎていないか。 接点の入口が1つしかないと、そこがふさがった瞬間に接触がゼロになります。無理に増やす必要はありませんが、相手が自分に合った経路で触れられる状態にしておくと、接点の総量は安定します。

3つ目は、続けられる仕組みになっているか。 接点は量が効くので、単発の頑張りより継続が効きます。気合いで回数を稼ぐのではなく、無理なく続く形に落とし込めているかを見ます。

4つ目は、量を確保したうえで見せ方を磨いているか。 見せ方の工夫を否定しているのではありません。順番の問題です。接点の量という土台ができてから見せ方を磨くと効果が出るが、土台がないまま見せ方だけ磨いても空回りする——この順序を守ることが肝心です。

明日、自社で試せる一手

ここまでをふまえて、すぐに確かめられる形にします。まず、直近で「反応がない」「集客がうまくいかない」と感じている商品やサービスを1つ思い浮かべてください。そのうえで、見込み客がその存在に月に何回触れているかを、具体的な数で書き出してみる——これが最初の一手です。

多くの場合、書き出してみると回数が想像以上に少ないことに気づきます。そこが判明したら、次にやるのは魅力を足すことではなく、その回数を増やす経路を1つ用意することです。**「魅力が足りないのでは」と悩みかけたら、まず接点の回数を数える。**この順番を癖にするだけで、打ち手のずれが減ります。

発信を外注するときも、この視点で相手を見る

最後に、集客や発信を外部に任せようと考えている方へ。接点の設計まで踏まえて動いてくれる相手かどうかは、見極めの分かりやすい目印になります。

うちのお客さんは、どれくらいの頻度でうちに触れている想定ですか」と聞いてみてください。接点を設計している相手なら、認知から応援までのどの段階を狙って、どう回数を積み上げるかを言葉で説明できます。デザインや見せ方の話はできても、接触の頻度や段階の話になると曖昧になる相手は、土台より装飾から入っているかもしれません。私たち株式会社隼は、人や商品が選ばれていく過程を接点の設計として組み立てる考え方を、YouTubeをはじめとする発信の運用とあわせてご相談に乗っています。

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