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YouTube運用

動画の投稿スケジュールが崩れる——止まるのは作業ではなく相手の確認

結論: 予定が崩れるのは、止まる日を後から差し引いているからです

投稿スケジュールを立てるとき、最初に置くべきなのは本数ではなく「動かせない日」です。私たちは契約期間の中で決まった本数を出し切る運用をしていますが、予定が崩れる原因は編集の速さでも本数の多さでもありませんでした。先方の長期休業や自社の繁忙期を、予定を作った後から差し引いていたことでした。

後から差し引くと、遅れはすべて休み明けに寄ります。そこで休み明けの投稿間隔を詰めて取り返す案を作ることになり、編集の負荷だけが上がる。実際に私たちが最初に用意したのもその案でした。ところが工程を並べ直したところ、休みで止まるのは作業の全部ではなく、相手の確認という1工程だけだと分かりました。

長期休みで予定が崩れるのは、何が止まっているからか?

答えを先に言うと、止まっているのは制作ではありません。「相手待ちの1工程」だけです。

1本の動画が世に出るまでには、企画・撮影・編集・社内チェック・先方の確認・投稿という工程があります。このうち相手の稼働がないと1ミリも進まないのは、公開前の確認だけです。それ以外は先方が休んでいても自社側で進みます。にもかかわらず、私たちは休業期間をまるごと「何も動かない期間」として扱っていました。

この前提のまま予定を引くと、休みの日数がそのまま遅れになります。9日間の休業なら9日分の遅れが後半に積み上がり、それを取り返すために投稿間隔を短くする——という計画になる。実際の制約はもっと小さいのに、自分で大きくしていたわけです。外注先や協力会社が絡む進行では、この種の思い込みが一番よく効いてしまいます。相手の状況が見えないぶん、安全側に倒しすぎるからです。進捗そのものの追い方は外注の進捗を報告に頼らず追う方法の記事にも書いています。

動画1本が公開されるまでの工程のうち、相手の稼働が必要なのは公開前の確認だけで、企画・撮影・編集・社内チェック・投稿は自社側で進められることを示した図

休みに入る前に、何を通しておくのか?

答えはひとつに絞れます。休みに入る前に、相手待ちの1工程だけを前倒しで通すことです。

私たちがやったのは、休業初日の前日に、休み中に公開する分の確認だけをまとめて依頼することでした。確認さえ取れていれば、投稿そのものは休み中でも予定どおり出せます。編集も社内チェックも自社側の作業なので、先に済ませておけばよい。結果として、9日間の休業で発生した遅れは1本ぶんだけに収まりました。

ここで大事なのは、返事が来る前提で計画を1本に絞らないことです。私たちは同じ連絡の中に、返事が来なかったときの切り替え条件も書きました。当日中に確認が返らなければ、その2本は休み明けに繰り下げて、投稿間隔を短くする側の案に切り替える——と先に決めておく。相手の返信を待つあいだ、こちらは判断を止めなくて済みます。

前倒しの依頼は、相手にとっても負担が偏らない形にしました。休業直前にまとめて依頼するのは、確認する側からすれば急な仕事です。だから対象は休み中に公開する分だけに絞り、それ以外の依頼は休みが明けてから再開すると明記しました。全部を前倒ししようとすると、たいてい全部が返ってきません。

休み明けに投稿間隔を詰めて遅れを取り返す組み方と、休み前に確認だけを前倒しして通常の間隔を保つ組み方を左右で比較した図

遅れはどこで吸収するのか?

答えを先に言うと、詰めて取り返すのではなく、終盤で1日ずつ戻します。理由はシンプルで、投稿間隔を短くすると編集の負荷が上がり、質か納期のどちらかが崩れるからです。

私たちが引き直しでやったのは、日付を1本ずつ決めることではなく、間隔のルールを1つ決めることでした。本編は5日間隔、短い動画は同じ回の本編の2日後。このルールから残りの全本数の日付を機械的に出します。すると、休み明けの数本は元の予定より数日後ろにずれますが、後半にいくにつれて差が縮み、終盤では元の日付に追いつきます。負荷を上げずに遅れを吸収できるのは、この形だけでした。

日付を手で1本ずつ動かさないのには、失敗の裏付けもあります。私たちは共有シートの日付を手作業で直していて、1行だけ曜日を書き間違えました。人が触る回数だけ、ずれる余地が増える。間隔のルールから出す形にしてからは、確認するのは「ルールが正しいか」の1点だけになりました。日数で設計する考え方自体は、来店後の連絡の間合いを日数で設計した記事と同じ発想です。

投稿予定を引き直す4つの手順として、動かせない日を先に置く、相手待ちの工程を前倒しする、間隔のルールから日付を出す、完了日を締切の手前に置く、を順に並べた図

予定は、締切の何日前に終わらせるのか?

私たちは完了日を締切の手前に置きます。今回の引き直しでは、契約の満了日ではなく、その3日前を最終投稿日にしました。

理由は、確認が1回戻ってくる可能性を残しておくためです。公開前の確認で修正が入れば、その動画は1〜2日ずれます。完了日を締切ぴったりに置いていると、その1回で契約期間をはみ出す。予備を3日持っておけば、差し替えが1回入っても中に収まります。完了日は締切の手前に置く——これは動画に限らず、相手の確認が挟まる納品すべてに当てはまる組み方だと考えています。

逆に、予備を大きく取りすぎるのも避けています。予備が2週間もあると、投稿間隔が伸びてチャンネルの更新が途切れる。私たちが持っているのは「確認が1往復すれば足りる日数」だけです。

明日からできる一歩

まずカレンダーを開いて、これから3ヶ月ぶんの「動かせない日」を先に塗ってください。先方の長期休業、自社の繁忙期、決算や大型連休。この段階では動画の本数を考えなくて構いません。

そのうえで、塗った日に重なる投稿があるかどうかを見ます。重なっていたら、その動画に必要な相手の確認を、休みに入る前日までに依頼できる日程かを確かめる。できるなら前倒しの依頼を1通出すだけで、休み中も止まらずに済みます。できないなら、その本数だけ後ろにずらして、残りは間隔のルールで引き直す。

本数を増やす前に確かめておきたいことは、作る前に需要を確かめる「需要の棚」の記事にまとめています。予定を守り切る設計と、そもそも何本作るかの設計は、別々に決めたほうがうまくいきます。

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