HAYABUSA INC.
YouTube運用

YouTubeで真似しても伸びない——手本は再生数ではなく「倍率」で選ぶ

結論: 手本にする動画は、再生数の多さではなく「再生数÷登録者数」で選びます

伸びている動画を真似したのに伸びない。原因は真似の仕方ではなく、手本の選び方にあります。私たちは手本の候補を、再生数の多い順ではなく再生数を登録者数で割った倍率で並べ替えています。

弊社も最初は、再生数の多い順に手本を選んでいました。集まるのは、登録者数の桁が2つ違うような大きいチャンネルの動画ばかり。その見せ方をなぞっても、自社では同じように伸びませんでした。理由は後から分かりました。その動画が伸びたのは見せ方が良かったからではなく、チャンネルの名前が知られていたからです。ここから、候補を並べる基準を再生数から倍率へ変えました。この記事では、その基準と、真似する前に必ず挟んでいる工程を開きます。

なぜ再生数の多い動画を真似すると外れるのか?

答えを先に言うと、その再生の多くが**「名前で見られた再生」**だからです。理由はシンプルで、登録者が多いチャンネルは、動画を出した時点で一定数の人が見に来るからです。見せ方が勝ったのか、名前で見られただけなのか。再生数という1つの数字では、この2つを分けられません。

割り算をすると分かれます。登録者が数百万人規模のチャンネルで数十万再生なら、倍率は1倍をはるかに下回ります。登録者が数千人のチャンネルで数万再生が出ていれば、倍率は数十倍になる。**後者だけが「見せ方が勝った動画」**です。私たちの目安は3倍以上。倍率が極端に低い動画は、再生数がどれだけ多くても候補から外します。競合をどの頻度で見るかという設計は競合分析を3層に分ける記事に書きました。本記事はその中の「どれを手本に選ぶか」の話です。

手本にする動画を選ぶ基準は再生数の絶対値ではなく再生数を登録者数で割った倍率であることを示した図解

手本にしない動画を、先に3つ決めています

私たちは、良い手本を探す前に外す動画を先に決めています。効いたのは探す基準ではありませんでした——外す基準のほうです。

1つ目は、名前で見られた回です。登録者が多いチャンネルで倍率が極端に低い動画は、参考にする価値がほとんどありません。2つ目は、別の土俵の回です。短い縦型の動画は、長い動画とは配られ方の仕組みが違います。倍率が高く出ても、長い動画の手本には使いません。この線引きはショートと長尺を分けて数える記事と同じ考え方です。3つ目は、母数が小さすぎる回です。登録者がごく少ないチャンネルでは、少し見られただけで倍率が跳ね上がります。倍率が高くても、再生数そのものが小さい動画は採りません。

手本にしない動画として名前で見られた回・別の土俵の回・母数が小さすぎる回の3つを先に外すことを示した図解

見つけた型を、そのまま真似してよいのか?

よくありません。私たちは、見つけた型を貯める前に自社の数字で一度落としています。

以前は、倍率で見つけた型をそのまま手本の一覧に貯めていました。あるとき、ジャンルの相性が良さそうに見えた組み合わせをそのまま踏襲したところ、自社ではクリック率が伸びずに終わりました。他社で当たった型が、自社の視聴者に当たるとは限らない。当たり前のことですが、倍率という数字で選んだ直後は、その当たり前を飛ばしがちです。そこで、見つけた型は自社の過去の実数と突き合わせ、そのまま使える型・工夫が要る型・危ない型の3段階に仕分けてから貯めるようにしました。仕分けを通らなかった型は、記録だけ残して手本にはしません。

この回路が回り始めてから、手本の一覧は「他社で当たったものの寄せ集め」ではなく「自社で通用すると確かめたものの一覧」に変わりました。型を別のジャンルへ移す考え方は再現できる成果に変える記事にも書いています。

競合の当たり動画を見つける・自社の実数で確かめる・通ったものだけ貯める・次の企画で使い結果を基準に戻す循環を示した図解

判断が割れたときは、どの数字を優先するのか?

順番を決めてあります。強い順に、自社の申込や登録に実際につながった数字、自社で過去に当たった型、競合の倍率、競合の再生数の絶対値です。競合の数字は、自社の数字より必ず下に置きます。

この順番を決めておく理由は、迷ったときに声の大きいほうへ流されないためです。競合の当たり動画は見た目に分かりやすく、社内でも話題になりやすい。一方、自社の申込につながった動画の共通点は地味で、目に留まりにくい。順番を先に紙に書いておかないと、分かりやすいほうが勝ってしまいます。弊社もまだ、この順番を毎回きれいに守れているわけではありません。守れなかった回を後から見返すと、たいてい競合の見栄えのする数字に引っ張られています。

明日から試せる、手本選びの第一歩

今日ひとりでできる一歩に落とします。自分の業界で「参考にしよう」と思っていた動画を1本選び、その動画の再生数を、そのチャンネルの登録者数で割ってみてください。どちらの数字も公開されているので、電卓があれば終わります。

答えが1倍を大きく下回るなら、その動画は名前で見られた回かもしれません。手本の候補から外し、代わりに登録者数の少ないチャンネルで跳ねている動画を探す。全部の基準を最初から組む必要はありません。手本を1本入れ替えるところから、真似の精度は変わっていきます。

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