AI活用AI活用事例 #21

AIを仕事でどう使うか分からない——朝と夜の「2通」から始める

隼 編集部

YouTube運用とAI業務支援の担当

AIを仕事でどう使うか分からない——朝と夜の「2通」から始める

結論: 使い道は業務の一覧から探さず、朝と夜の「2通」から作ります

AIを仕事でどう使うか分からないとき、弊社がいまから始めるなら、最初に作るのは「2通」です。朝に届く1通と、夜に届く1通。任せる業務を選ぶ前に、1日の最初と最後に読むものをAIに作らせます。

朝の1通は、今日これから人が確かめることをまとめたものです。夜の1通は、今日終わったことをまとめたものです。弊社の代表の1日は、朝の1通を読むところから始まり、夜の1通を読んで終わります。

弊社の代表も、AIを自分の業務にどう使えるのかが分からないところから始めています。自動で動く仕事を増やしていた今年の夏には、社内のメモに「いろいろ作っているのに、自分の仕事が減った実感がない」と書いています。足りなかったのは自動化の数ではありません。AIがどれだけ代わりにやっているかが、見えていなかった。

この記事では、2通の中身、作り直した経緯、人に残していることを順に書きます。いま毎日動いている仕事の一覧は、人の手を離れて回っている自動化の記事にまとめています。

AIに仕事を任せると、人の1日には何が残るのか?

読むこと、一言書くこと、決めることの3つです。弊社の代表の1日で、AIに関わる時間を並べるとこうなります。

朝は、朝の1通を読んで番号で返事をします。昼と夕方に届くのは、AIの報告を別のAIが先に読んでまとめた1通です。日中は、思いついた頼みごとを社内チャットに一言書きます。夜は、夜の1通で今日どこまで進んだかを見ます。

決めることも残しています。お金を動かす、社外に送る、公開する、消す。この4つは人が決めます。前もって代表が条件を決めてあるものを除いて、AIは手前まで進めて確認を待ちます。

人の1日に残していることを、朝の1通に番号で返す、昼と夕方のまとめを読む、チャットに一言書く、夜の1通で進み具合を見る、お金と送信と公開と削除を決める、の5つで並べた図解

これで時間が何時間減ったかは、測っていません。変わったのはやり方です。代表の仕事は、読んで、選んで、決めることに寄ってきています。昼と夕方のまとめを作る役については、読む役と作業する役を分けた記事に書きました。

朝の1通は、どう作れば返事が楽になるのか?

答えを先に言うと、項目に番号を振らせます。返事は番号だけで済むようになりました。

朝の1通は、前の日からのメールと社内チャットと予定をAIがまとめて見て作ります。中身は「今すぐ」「今週」「読むだけ」の3つに分かれています。本文に出すのは、先に確かめることを最大3件だけです。残りは件数だけ書いてあり、中身は別の一覧に同じ番号で入っています。

以前の代表は、気になる行をコピーして、AIとの会話に貼り付けて対応を頼んでいました。この一手間が毎朝かかっていた。そこで項目に番号を振らせ、朝の1通への返信に「1と3をやって」と書くだけで、裏でAIが作業を始める形に変えました。

番号の返事を読む仕組みは、もとは別の目的で作ったものです。会社に届く通知の中に「管理画面で設定を編集してください」という、人への作業の依頼が書かれていたことがありました。調べると、AIが別の方法で直せる内容でした。それ以来、通知に人への作業が書いてあっても、先にAIが自分で片付けられないかを試させています。番号の返事は、その仕組みにあとから足しました。

ただし、番号で動くのは、前もって登録しておいた手順だけです。お金を動かす、社外に送る、公開する。この3つは番号で返しても実行されません。

夜の1通は、何を載せれば読み続けられるのか?

件数より先に、今日進んだことを1行ずつ載せます。弊社は件数だけの報告を作り、読まなくなってから作り直しました。

最初の夜の1通を作ったのは夏の終わりです。AIが動いた記録の件数と、代表が承認した回数を、1日の終わりに知らせるものでした。考え方は効果を件数で数える記事に書いたとおりです。

これは続きませんでした。秋にAIからの報告をすべて見直すと、代表はこの1通に2週間、一度も反応していなかった。載っていたのが承認まわりの件数だけで、今日何が進んだのかが分からなかったためです。いったん止めて、数日後に作り直しました。

新しい1通には、今日進んだことが案件ごとに1行ずつ、最大6行並びます。件数はその下です。知りたかったのは、AIがやった分も含めて、1日でどれだけの仕事が終わったかでした。

夜の1通を、件数だけが並んで2週間読まれなかった作り直す前と、今日進んだことを案件ごとに1行ずつ先に載せた作り直した後で比べた図解

作り直すときに決めたことが3つあります。1つ目は、件数をAIに数えさせないことです。決まった記録からプログラムで数えた数字だけを出します。数字が取れなかった項目は、0件と書かずに未確認と書きます。

2つ目は、何もなかった日は送らないことです。代表がもういらないと言ったら止める、とも決めています。3つ目は、終わった仕事の報告をこの夜の1通だけにすることです。朝の1通には、今日これから動く件だけを載せます。朝に前の日の話まで読むと、そのぶん頭を使うからです。

件数の読み方にも注意を付けています。会話しながら進めた仕事は、途中まで進んだものも1件と数えます。決まった時間に動いた仕事は動き出した種類の数で、うまくいったかどうかまでは分かりません。弊社はこの件数を、進み具合の目安として見ています。

2通ができたあと、何を足していったのか?

足したのは、動かす時刻と、止める時間です。最初から全部を自動にはしていません。

順番はこうでした。はじめは人がその場でAIに頼んで、1通を作らせます。中身が固まったら、決まった時間に自動で届くようにします。そのあとで、届いた1通に番号で返事ができるようにしました。

朝と夜の2通を、その場で頼んで作らせる、決まった時間に届くようにする、番号で返事ができるようにする、動かさない時間を決める、の4つの段階で育てる順番を示した図解

止める時間も決めています。社内チャットを何度も確かめに行く仕事のいくつかは、夜から翌朝の始業まで止めています。その時間は代表がほとんど書き込まないので、確かめに行っても何も見つかりません。それでも、AIを動かすたびに契約の使用量は減っていきます。朝までに数字をそろえる仕事のように、夜のうちに動かす必要があるものは止めていません。費用の考え方は動かした回数で利用料が膨らむ記事に書いています。

自動にしたあとに足したものが、もう1つあります。見張りです。人のいない時間に動いた仕事が、操作してよいかの確認を出したまま待ち続けたことがありました。同時に動かせる数の枠がふさがり、後に続く仕事が半日近く止まった。自動の仕事は、止まっても自分からは知らせてきません。 いまは、返事を待ったまま止まっている仕事を見つけて止め、代表に知らせる見張りを動かしています。

まだできていないことは何か?

効果の大きさは分かっていません。時間が何時間減ったかを測っていないためです。

AIの報告を1つずつ開いて読む習慣も、まだ残っています。昼と夕方の1通に置き換えている途中です。

頼んだ作業が始まるまでには、待ち時間があります。作業をするAIが頼みごとを確かめに行くのは十数分おきです。夜に頼んだものは翌朝に始まります。作業をするAIは代表のパソコンの上で動いているので、パソコンが止まっている間は進みません。

明日から試せる一歩

今夜、いま使っているチャットのAIに、次の文をそのまま頼んでみてください。

「今日、このチャットで頼んだ作業の、終わったものと、まだ途中のものを短くまとめて」

これが夜の1通の最初の形です。特別な設定は要りません。その日に頼んだ会話が残っていれば試せます。

朝の1通は、その次です。頼む文は「昨日からのメールと、今日から3日間の予定を見て、今すぐ・今週中・読むだけの3つに分けて、番号を付けて1通にまとめて」です。こちらは、メールや予定をAIが読めるようにつなぐ必要があります。つなぎ方は使っているサービスによって違うので、確かめてから始めてください。

慣れてきたら、決まった時間に自動で届くようにします。それができたら、届いた1通に番号で返事ができるようにします。弊社もこの順番で足してきました。

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