AI活用AI活用事例 #31

AIへの依頼文が毎回長い——よく頼む仕事は手順を1度保存して一言で頼む

隼 編集部

YouTube運用とAI業務支援の担当

AIへの依頼文が毎回長い——よく頼む仕事は手順を1度保存して一言で頼む

結論: 毎回頼む仕事は、手順を1度だけ保存して、普段の言葉一言で頼みます

AIへの依頼文が毎回長くなる原因は、頼み方の下手さではありません。毎回ゼロから頼む形になっていることです。弊社ではよく頼む仕事ごとに、手順・守る決まり・出来上がりの形を1度だけ書いて保存しました。今は「メールチェックして」のような普段の言葉で頼んでいます。

この記事では、メール整理を例に、何を保存し、何を人に残したかを書きます。

依頼文が毎回長くなるのは、なぜか?

答えを先に言うと、頼む側が毎回「会社のこと・資料の形・気をつけてほしいこと」を説明し直しているからです。説明する時間がかかり、書き忘れた回だけ出来が変わります。直しの時間も、毎週少しずつ積み上がります。

弊社で毎回頼む仕事は、提案資料、メールの確認、会議の記録、毎月の報告書です。どれも毎回ほぼ同じ形で出てきてほしい仕事で、こういう仕事ほど、説明を繰り返す形が負担になります。同じ注意を毎回打つ問題は、指示書に先に書く決まりの記事でも書いています。今回はその先で、「仕事ごとの手順を丸ごと保存する」やり方です。

メール整理は、どんな手順を保存したのか?

保存したのは4つの手順です。①受信トレイの新着を読む②大事でない自動通知にラベルを付けて受信トレイから外す③返信が要るメールには返信の下書きを作る④外した件数・作った下書き・私に見てほしいメールを一覧で返す。

きっかけは数字でした。ある4日間を見返すと、受信トレイに201件届いて、本当に大事だったのは2件でした。大事な2件を探すために、毎朝、残りを流し見していたことになります。

最初の対策は、7月に送信元ごとの振り分けを18個入れることでした。よく届く通知は、届いた時点でラベルに移ります。それでも、新しい送信元の通知はすり抜けてきます。ルールを足し続けるより、手順そのものを保存して毎回同じ形で動かすほうが早いと判断しました。

作ってすぐ、1日分の新着10件で試しました。結果は次のとおりです。

  • 宣伝と通知の4件は、ラベルを付けて受信トレイから外された
  • 飲食店の予約確定、使っていないアカウントの停止予告、セキュリティの通知は、確認してほしいメールとして残った
  • ショッピングサイトのメンテナンス案内は、進行中の取引があるかで扱いが変わるため、判断を保留して返ってきた

メール整理の手順を保存した4つの流れ。新着を読む、自動通知を外す、返信の下書きを作る、一覧で返すの順に進む図

最初に試したときは、外す段階で止まりました。メールの接続設定に、ラベルを変える権限が付いていなかったからです。つなぎ直すときに全項目を許可したら動きました。手順を作っても、道具側の権限で止まることがある。真似するときは、最初にここを確かめてください。

保存するとき、どんな決まりを入れるのか?

答えは、AIが迷ったときに勝手に決めさせない決まりです。弊社のメール整理には4つ入れています。

  1. 送信はしない。AIは下書きまでで、直して送るのは人
  2. 削除はしない。ラベルに移すだけなので、後から見られる
  3. 人からの直接のメールは外さない。問い合わせ窓口の宛先も、送信元でまとめて外さない。人からの相談が同じアドレスに届くため
  4. 外すか迷うものは、外さず保留にして返す

運用して分かったこともあります。メールの「重要」マークは宣伝のメールにも付くので、判断の根拠にしません。請求書のアップロード通知が混ざる送信元は、外さず残しています。

下書きの決まりも1つあります。日程・金額・引き受けるかどうかのように、私がまだ決めていないことは、AIに書かせず空けて印を付けてもらいます。会議の記録でも同じです。決まっていないことを決定事項に書かない、と保存しています。AIが推測で書くと、話していない約束が記録に残ってしまうからです。

保存する決まりと残す判断の対比。前は毎回の依頼文で伝え、後は保存した手順と決まりで動かし、最後の判断は人が持つ

人に残す範囲は、どこまでか?

一言で動くのは、下書き・整理・準備までです。メールの返信を送る、資料を外に出す、お金を払う、公開する。この判断は人に残しています。

弊社のメール整理でも、動かすのは私が頼んだときだけです。決まった時間に自動で動かす設定は可能ですが、まだ入れていません。取引先とのやり取りはほとんどチャットなので、メールで下書きが出る日は多くないこともあります。人に残す部分は、使いながら見直しています。

メール整理で起きた数字。4日間で届いた201件、本当に大事だった2件、入れた振り分けの数18個、試した新着10件のうち外れた4件

人の確認が要る理由は、請求書の読み取りを人が確認する記事と同じです。AIが一覧で返してくれても、最後に中身を見て決めるのは人です。

明日、何から始めればよいか?

最初の一歩は、いつも頼んでいる仕事を1つ選ぶことです。選ぶ目安は3つあります。繰り返す仕事であること、手順が決まっていること、出来上がりの形が決まっていることです。最初の1つの選び方は、最初に任せる仕事の記事にまとめています。

次に、AIにこう頼んでみてください。「この頼み方を、保存して使える手順にして。○○してと言ったら動くようにして」。手順の中身を自分で書く必要はありません。保存の確認が出たときだけ、中身を見て許可します。

使ってみて直したところは、「今の直しを手順に足して」と頼んで書き戻します。最初から完璧な手順は作れません。使いながら直して育てるものです。

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