結論: 最初に任せる仕事は「繰り返すか」「見比べられるか」「戻せるか」の3つで選びます
AIに最初に任せる仕事は、3つの条件で選びます。繰り返し発生する仕事か、元の材料とAIの答えを見比べられるか、間違っても元に戻せるか。 この3つです。
弊社ではいま、決まった時刻に動く仕事だけで約100本をAIに任せています。その中から今ゼロで始め直すなら、最初の1つは会議の記録にします。毎週会議があり、元のメモが残っていて、間違っていても直せば済むからです。
この記事では、弊社がAIに任せている仕事の範囲、3つの条件の見方、会議の記録を最初にする理由、2番目以降の並べ方を順に書きます。
弊社はAIに、どこまで仕事を任せているのか?
答えを先に言うと、任せているのは「読む・並べる・作る・見張る・知らせる」の5つの動きです。決めることは人に残しています。
仕事の種類でいうと7つあります。お金、数字、連絡と報告、会議、発信、見張り、頼みごとです。たとえばお金の仕事では、届いた請求書をAIが読んで支払いの予定に入れ、期限を見張って知らせてきます。代表がやるのは、知らせを見て、決めて、振り込むことです。
反対に、自動にしていないものが4つあります。お金を動かす、外に送る、公開する、消す。どれも後から戻しにくい作業です。前もって代表が条件を決めてあるものを除き、AIは手前まで進めて人の確認を待ちます。

3つの条件は、それぞれ何を見ればいいのか?
1つ目は「繰り返すか」です。毎週や毎日起きる仕事でなければ、任せる準備をしても元が取れません。1回きりの仕事は、その場でAIに聞けば足ります。
2つ目は「見比べられるか」です。AIの答えが合っているかを、元の材料と並べて確かめられるかを見ます。AIの知らせがいつも正しいとは限りません。弊社でも、入金されている請求を「未入金」と知らせてきたことがありました。元の材料が手元にある仕事なら、こうした間違いに人が気づけます。
3つ目は「戻せるか」です。間違っていたときに、直せば済む仕事かどうか。送った後、消した後は、元に戻せません。 取引先への返信を送る仕事や、いらなそうなファイルを消す仕事を最初に選ばないのは、このためです。

なぜ最初の1つは、会議の記録なのか?
3つの条件がすべてそろうからです。会議は毎週あり、元のメモが残るのでAIの答えと見比べられ、間違っても書き直せば済みます。
弊社では平日の夕方に、まだ整理していない取引先との会議の記録から、決めたことと、誰が何をするかをAIが抜き出し、取引先ごとのページに書き足していきます。「あの会社と前回何を決めたっけ」と思ったら、そのページを見に行けば確かめられます。
ここで決めているルールは3つです。1つ目は、書き足すだけで書き換えないこと。人が整えた文章をAIが上書きしないようにしています。2つ目は、決まっていないことを決まったように書かないこと。何も読み取れない会議は「明確な決定事項なし」と1行だけ書きます。それらしい決定事項を作られると、後で読んだ人が決まったと受け取るからです。3つ目は、どの取引先の会議か分からないときは止まること。それらしい取引先を選ばずに、1行だけ聞いてきます。間違ったページに書かれた約束は、後で探しても見つかりません。
仮のメモで試したところ、10秒ほどで答えが返ってきました。決まったことが1つ、やることが2つ。会場や目標の人数のように、話は出たが決まっていないことは3つあり、AIはそれを「決まっていない」と分けていました。
2番目からは、どういう順番で並べたのか?
同じ3つの条件で並べました。2番目は請求書を読んで一覧にする仕事、3番目は連絡のまとめ、4番目が発信の下書きです。
請求書の一覧は、元の請求書と見比べられます。払うのは人なので、間違いに気づいたら一覧を直せます。連絡のまとめは読むだけなので元に戻せる一方、メールや予定をAIに読ませる設定が必要です。
発信の下書きを4番目にしたのは、出す基準を先に決めておく必要があるからです。弊社では、AIが書いた会社のブログの下書きが9本たまったことがありました。代表が読んで公開したのは2本、見送りが5本です。見送りの理由は、ネタが細かすぎて読む人の役に立たないことでした。それからは、誰が読むのかを書く前の基準にしています。書くのが速くなっても、出す基準は人が持っておく。
数字のダッシュボード(会社の数字を1画面で見る仕組み)、止まった仕事の見張り、頼みごとの入口は、任せる仕事が増えてからで足ります。

明日から試せる一歩
直近の会議のメモを1つ、いま使っているチャットのAIに貼り、次の文で頼んでみてください。
「この会議のメモから、決まったことと、誰がいつまでに何をするかを抜き出してください。決まっていないことは、決まっていないと書いてください。メモにないことを推測で足さないでください。」
返ってきた答えを、元のメモと並べて読みます。決まっていないことが「決まった」側に入っていなければ、会議の記録はAIに任せられる仕事です。社外の人が出た会議のメモを渡してよいかは、会社のルールと使うAIの設定を確かめてから決めてください。