結論: 任せた仕事は名簿1冊にまとめ、増やす前と減らすときにその名簿を見ます
AIに任せた仕事が増えて把握できなくなったとき、弊社がやったのは、任せた仕事を1冊の名簿にまとめることでした。1行に1つの仕事を書き、部署と役割で分けます。
いま弊社の名簿には、一時的に止めているものも含めて200件を超える仕事が載っています。50ほどの役割にまとめ、8つの部署に分けています。数を増やしたかったわけではありません。誰が何をやっているかを、一目で分かるようにしたかった。
名簿を作ってから、減らす作業もしやすくなりました。この記事では、名簿を作った経緯、1行に書いていること、分け方で失敗したこと、使っていない指示書の減らし方を順に書きます。
AIに任せた仕事が把握できなくなるのは、なぜか?
答えを先に言うと、仕事の置き場所が種類ごとに分かれていたからです。弊社の代表も、全部でいくつあるのかを答えられない時期がありました。
AIに任せる仕事が増えるにつれて、どのAIに何を任せたのか、自分でもすぐには言えなくなっていきました。決まった時刻に自動で動く仕事、呼んだ時だけ動く仕事、AIが仕事の前に読む指示書。この3つがそれぞれ別の場所にありました。
そこでAIに全部を数えてもらい、1つの名簿にしました。任せている仕事が少ないうちから名簿にしておくほうが楽です。 後から足すのは簡単ですが、増えてから数え直すのは大変でした。

名簿の1行には何を書けばいいのか?
答えは4つです。いつ動くか、何ができあがるか、結果を誰が読むか、どの部署のどの役割に入るか。分からないところは空けておきます。
名簿の決まりは1つだけです。新しい仕事を作ったら、名簿に1行足す。ただ、足し忘れは起きます。弊社では、決まった時刻に動く仕事が名簿に載っていなかったら、警告が出るようにしてあります。
名簿には、人がやる仕事も書いています。お金、公開、社外への送信は、最後に人が決めます。撮影や編集の仕上げ、お客さんやファンとの関係、AIの答え合わせも人の仕事です。AIに任せた仕事と同じ名簿に、人に残した仕事を並べておくと、線引きが一度に見えます。

部署と役割は、どう分ければ迷わないのか?
部署は仕事の種類で分け、役割は仕事がそのまま分かる名前にします。迷ったら、普通の会社の呼び方に合わせます。
弊社は部署の下に仕事を直接は並べていません。経理の部署だけで仕事が30件あり、一列に並べると読むだけで大変だからです。そこで請求担当、支払担当、帳簿担当というふうに役割を6つ置きました。支払いのことで何かおかしいと思ったら、支払担当の下から見ればいい。かっこいい肩書より「請求担当」のほうが、後で見返したときに迷いません。
分け方では失敗もしています。以前、SNS運用の仕事を18の役割に分けて、1つの部署にしていました。組織図にしてみると、台本も編集もサムネイルも、制作の部署にもあるし、その部署にもある。担当がかぶっていました。その部署はなくして、18の役割を、同じ仕事をしている部署へ移しました。
名簿では、仕事ごとの状態も色で見ています。動いているものは緑、遅れているものはオレンジ、止めているものは灰色です。ただし、緑は遅れが見つかっていないという印で、中身が正しくできたかまでは分かりません。 この違いはAIの完了の報告が示す範囲の記事に書いています。色までつけなくても、それぞれの仕事が最後にいつ動いたかが分かれば、止まっているものに気づけます。止まった仕事が何も知らせてこない理由は、自動化が止まっても気づけない記事で詳しく書きました。
増やすより、なぜ減らすのか?
答えを先に言うと、AIに任せる仕事を増やしたあとに見つかったミスは、作り足すことでは直らなかったからです。弊社では、減らすほうが仕事が楽になりました。
ある時期、代表はAIに「いろいろ作っているはずなのに、自分の仕事が減った実感がない」と相談しました。調べてもらうと、原因は自動化が足りないことではありませんでした。AIが出してくる報告を読む人が、代表1人に集中していた。新しく作る前に「その結果を誰が読むのか」を確かめるようになったのは、このためです。作る前の確かめ方は読み手の定員から数える記事にまとめています。
指示書の点検でも、残しておくと危ないものが見つかりました。もう使っていないサービスで請求書を作る手順が、いまも使う手順として残っていたのです。そのまま使われていたら、間違った請求につながる恐れがありました。
この棚卸しでは、指示書のうち数本を退役させました。しばらく使っていないもの、別の仕組みに役目が移っていたもの、ほかの指示書と中身が重なっていたもの、の3種類です。
使っていない指示書は、どう減らしているのか?
見つけるのはAI、直すと決めるのは人です。そして、退役させた指示書は消さずにしまいます。
まず、別の会社のAIに、古い手順や切れている参照を探してもらいます。見つかったものは1件ずつ確かめます。AIの指摘が間違っていることもあるので、確かめる担当を間に入れています。そのうえで、代表が直してよいと決めてから直します。
退役させた指示書は、退役用の場所に移し、戻し方の記録も残しています。止めた後で困る仕事が見つかっても、戻せるようにするためです。消すより先にしまう。 止める前には、止めたら困る人や仕事がないかを確かめます。

この名簿と棚卸しで、代表の時間が何時間減ったかは測っていません。分かっているのは、何をどこに任せたかを名簿1冊で答えられるようになったことです。
明日から試せる一歩
いま使っているチャットのAIに、次の文をそのまま頼んでみてください。
「今AIに任せている仕事を、1行に1つずつ書き出してください。それぞれ、いつ動くか、何ができあがるか、結果を誰が読むかを書いてください。分からないところは空けておいてください。」
任せている仕事が3つしかなくても、この形で残しておけば名簿の1冊目になります。結果を誰が読むのかが空欄の行があれば、それが最初に見直す候補です。